艶麗な夜華

ボーイの呼びかけにハッとするあたし。


「ごめんなさい!今、行きます……」


急いでドレスのファスナーをしめるけど、

手が震えてどうにもならない。


きっと今頃、いや、もうすでに彼が自殺した事は恭也の耳に入っている。

だとしたら今、恭也は……


ヤスの事、百合花さんの事、そしてブレイブの代表の事……

恭也を苦しめる事ばかりが次々と起き、

その全てにタクミさんが関わっている。


ようやくしめる事ができたドレスのファスナー。


気持ちを切り替え笑顔で接客をするのには無理があって。


「どうしたの沙希ちゃん?

急に元気なくなったんじゃない?」


こんな言葉をお客さんに言われてしまうのは久々の事だった。