艶麗な夜華

真剣な顔でそう話す愛華が、


嘘を言っているとは思えない。



でも……


自分の気持ちを話したあの日、



"嬉しいよ"



なんて穏やかな表情で愛華は言ったけど、


体を引き離すその手は……冷たかった。




「それが本当ならどうして……」



「傷つくのが怖いんだよ」



「えっ?」



一気に表情が曇る愛華。



「昔ね、付き合っていた彼女に酷い裏切り方されて……」



「酷い裏切り方?」



「彼女は二股をかけていたのさっ。


俺と、もう1人は……俺の親友」



「そんな……」



「さすがに人間不信になったよ。


もう、悲しいとかそんな感情も生まれなくて、


ただ憎しみだけが溢れたんだ。


それはそれは……辛かったよ。



1人の女にとらわれているのが嫌で、


2股をかけられていたなんて事実が許せなくて、


俺じゃなく親友だった男の方を選んだ彼女に腹が立って、


だから俺はホストになったんだ。


複数の女にちやほやされる事によって彼女を、


親友だったアイツを……見返したかったのさ。


結果俺にはたくさんの客がついた。


そして、それと共に2人に対する憎しみは薄れていった。


でも……どうしても人を信じる事ができなくて、


気がついたら俺は……傷つくのが怖い、


憶病で弱虫な男になっていたよ……」