艶麗な夜華

ドアを開く手が止まり、

ゆっくりと向けられた鋭い目。


「お前、昨日カルムに行ったらしいな」


「あっ…」


一瞬、ヤスから聞いたのかと思ったけれどそんな筈はなく、


マスターに口止めをしなかった事を後悔する。


でも……口が軽いのでは意味がない。


「アイツから俺の事を根掘り葉掘り聞いてどうする気だ」


「根掘り葉掘りって……そんな……」


「聞いたんだろ?結衣の事」


恭也の口からその名前が出たと同時に苦しくなる胸。


こんなのおかしいのかもしれないけれど、


嫉妬に似た感情が芽生えた。