艶麗な夜華

「熱下がったのか?」


ネクタイを付けながら真顔であたしを見る恭也。


「うん!1日で治っちゃった!」



笑顔で答えるあたしから目をそらし、


カウンターに入るとお酒の在庫チェックを始める恭也はいつもと変わらないのに、


「ちゃんとストーブ使えよ」


「あっ、う、うん!」


なんだかドキドキしていているのは、


恭也に抱きしめられた感触がまだ残っているから。





「「おはようございます!」」


出勤してきたヤスとキン。



「おはよう」



カウンターの上を拭きながら挨拶を返すあたしに、


ヤスが声を掛けてくる。



「沙希?熱は下がったのか?」



「うん!元気になった!」



ヤスは安心した顔であたしを見ると、


コートを脱ぎながら話す。



「明日の午前中なんか予定あるか?」


「ん?別になにもないけど?」


「それなら店の大掃除手伝えるな」


「大掃除?今の時期に?」


首を傾げるあたしにヤスは顔をしかめる。


「1ヶ月に1回は大掃除してるんだよ」


「そ、そうなんだ」