「足手まとい……


でも、時々恭也が寂しそうっていうか、


悲しい顔……するから。


あたし……その…」



「いいからもう寝ろ……」




その一言はあまりに悲しく、


冷たい目を向ける恭也はこれ以上踏み込む事を許さない。



それでもあたしは……


「嫌だよそんなの!


そんな目で見ないでよ!


あたしを遠ざけないで!」



こんな事を言えば、


ますます恭也が離れる事はわかっているのに、


今は自分の思いをぶつける事しかできなくて。



恭也は顔をしかめ、


いつもの鋭い目になる。


「勘違いするなって言っただろ。


はなから俺とお前との距離に近いも遠いもないんだよ」


「そんな寂しい事言わないでよ!」


恭也の言葉に傷つくのも、


感情的になってしまうのも、


恭也の事が好きだから。