艶麗な夜華

ガシャン


「あっ!」


なんだかぼんやりしていた今日。


床には割れたグラス。


恭也のお店のグラスを割ってしまったのはこれが初めて。



どうしよう!


焦ってあたふたしているとドアが開き、


出勤してきた恭也があたしの顔をじっと見つめる。



「なんか変だなお前」



「あのね恭也……」



正直に言うしかない。



「なんだ?」



「その……グラス……割れちゃった……」



あたしの言葉に恭也が呆れた顔をする。



「割れちゃったじゃねぇ。


それじゃあグラスが勝手に割れたみたいだろ」




「そ、そうだよね…」



恭也はカウンターの中に入ると割れたグラスを見る。



「お前……よりによって高いグラス割ってんじゃねぇよ」



「えっ!このグラス高いの?いくら?」



「2万」



「嘘!」



「借金に上乗せだな。


20万8千円、さっさと払えよ」



「は、はい……」