艶麗な夜華

「ありがとうヒカリ」



彼女を見送る恭也。



あたしはボックスの椅子に置いたバッグを手に持つと、


スマートフォンで時間を確認した。



2時15分。



ドアが閉まる音が聞こえ、


店に戻って来た恭也がカウンターに座る。



あたしはクローゼットの中からコートを取り出すと恭也に話しかけた。




「綺麗な人だね……あの……ヒカリさんって人」



すると恭也はグラスを傾け笑顔で話す。



「ヒカリはエレナのナンバーワンだ」



"エレナ"


それはこの街で一番の高級クラブ。



「そうだったんだ……凄い人なんだね」



「エレナのナンバーワンっていうより、


この街のホステスの中で一番って言った方が正解だな」



「………そうなんだ」







───そういう人としか恭也は対等に話してくれないんだね。



つい、零れそうになったそんな言葉を飲み込み店を出た。