艶麗な夜華

「なんとでも言えばいいよ!


恭也にはこんなあたしの気持ちなんて理解できないんだよ!


いつも厳しい事言って、


何処までもあたしを追い詰めて……


冷たくて、優しさのカケラもなくて…」



泣きながら上目でにらむあたしを、


面倒そうな顔で見る恭也。


「なんだよそれ」


「だってそうじゃん!


恭也はいつもあた…」



「まったく……


それじゃあお前を泣かせたのは俺みたいだろ」



そんな言葉と同時に背中に触れた恭也の手が、


そっとあたしの体を抱き寄せる。



えっ…



「きょ、恭也……?」



「さっさと泣き止め」



恭也の腕の中、


泣く事なんてとっくに忘れてた。



「こ、こんなところ恭也のお客さんから見られたら、


た、大変だよ?」


「じゃあ、早く泣き止めよ」



あたしは慌てて恭也の体から離れた。



「も、もう大丈夫……」



「急がねぇと遅刻するぞ。


それと、メイク直してから店に出ろよ」



そして恭也は店に向かって歩いて行った。



恭也の背中を見つめ、


あたしの鼓動が激しく打っているのは……


凄く驚いたから。




きっとただ、それだけ。