「ハハッじゃあちょっと夜景でも見に行きますか」



「はい!」




車が走り出し、


愛華があたしに話す。




「さっき元気なかったよね沙希。


お客さんと食事してたって言ってたけど、


なにかあったの?」



「うん……」



「どうしたの?


言えない事?」



「愛華の言う通りだった……」



「俺の言う通り?」



「うん……


お客さんにホテルに誘われて……


やっぱりみんな下心があるのかなぁ……」



「ショック受けちゃったみたいだね……」



愛華はそっとあたしの頭を撫でる。



「愛華は優しいね……」



「それって誰かと比べてる?」



「えっ?」



「恭也と……とか?」



「えっ?そんなつもりで言った訳じゃないよ」



「ごめん、俺の気にし過ぎだね」






車は高台を上り、


夜景が見えてくる。



「此処初めて来た!」



「それはよかった。


たまに1人で来るんだ」



「本当に1人?」



「疑うの?」



「だって愛華はモテるでしょ?」