艶麗な夜華

「汚ねーな。


こんなの触れっかよ」



投げてきた雑巾をよける恭也。



「ちゃんと洗ってあるから大丈夫!」



「本当だろうな」



恭也は仕方がなさそうに雑巾を手に取り、


脇にある手洗い場で雑巾を濡らすと、


カウンターの上を念入りに拭いていく。



そんな姿さえかっこよく見えるから恭也は凄い。



顔に掛かる長い前髪をかき上げ、


汚れが落ちたかを確認するしぐさには色気があって、


足を開き過ぎる事なくしゃがむ姿には品があり、


無駄のない手の動きは美しい。


口は悪いけどガツガツした男っぽさはまったく感じられず、


かといって中性的な訳ではない。


凄く男っぽくて、凄く美しい。


そんな印象。




「悪いねいつも!」


「汚ねんだよこの店は。


だから客が入らねんだよ。


新聞読んでないで掃除をしろ」



その後も恭也はテーブル席や棚の上などを掃除し、


来た時よりも綺麗になった気がする店内。