艶麗な夜華

あたしは勝手に厨房の冷凍庫から氷を取り出すと、


アイスペールの中に氷と水を入れ、


そこにあったタオルを持って彼のところへと行く。




「なんでこんなに熱があるのに店に出たのよ!」




目の上に腕を乗せ微動だにしない彼。



「………」



「ちょっと、生きてる?」



「………」



「ねぇ、ちょっと!」



「うるせぇな。


このくらいの熱で死ぬかよ」



「なんだ……驚かせないでよ……」



「お前にとっては、


死んだ方が都合がいいだろうけどな」



口角を上げる彼の唇が腕の隙間から見える。



「なに言ってんのよ!」



彼の腕を顔の上から降ろすと、


冷やしたタオルを額に乗せた。