真島くんの言うここからは会社最寄りの駅だ。そこから乗って帰るのだろうけど、なぜ私の家を聞くのだろう?


「隣の駅だよ」


「近いな。今から言ってもいい?話がしたいんだけど」


「え…」


雅也さんは帰ったけど、こんな時間から雅也さん以外の男性を入れるのは、よくない。


「ごめん。私、風邪気味でもう寝ようと想っていたの」


嘘ではない。今すぐではないけど、お風呂に入ったら、寝るつもりだったし。断る本当の理由は、真島くんが男だからだけど。


「そうなんだ。こっちこそ、ごめん。具合悪いのに気づかないで、歓迎会まで出てもらって、悪かったね。じゃあ、また今度にするよ。早く寝て。おやすみ」


「うん、おやすみなさい」


また今度…今度でもいいからここに来ようとしているのかな?

なぜ?

付き合っている人がいると話したから、知っているのに。


しかし


会わないと決めた真島くんが、うちの会社に転職してくるなんて…どんな巡り合わせなんだろう。

雅也さんもいるし…

今日は疲れた1日だった。