過去恋に今の鼓動を重ねたら

驚きで肩がビクッと動いてしまった。声を掛けてきたのが雅也さんだったから尚更で、私はおそるおそる隣を見た。

嫉妬深い人ではないと思うけど、他の男と話していて不機嫌になっているかもしれない。

雅也さんは爽やかな表情で私の隣に立ち、真島くんを見ていた。その後、すぐに私に視線を動かした。雅也さんと目が合い、私は口を開く。


「あ、中学の時の同級生なんです。会うのが卒業以来でビックリしてしまって」


「へぇー、すごい偶然だね」


「はじめまして。今月からこちらの担当になりました真島と申します。よろしくお願いします」


真島くんは丁寧に頭を下げて、雅也さんに名刺を渡す。私にはくれないのかな?真島くんは私をチラッと見て、名刺入れをスーツの内ポケットにしまった。

あ…欲しかったのに。


「岸本雅也と言います」


雅也さんも名刺を取り出して、真島くんに渡す。