過去恋に今の鼓動を重ねたら

「ふーん。同級生だって、言ってたもんな」


雅也さんは、続きが気になっていないのか分からないが、再び歩みを進める。少しトゲがあるように聞こえたのは気のせいかな。

資料作成に忙しいから、ゆっくり話してる暇はないのかもしれない。私も立ち止まっている場合ではないと思い、急いで後を追った。



「お疲れ様。ありがとう」


「ううん」


小会議室で雅也さんと二人だけで資料作成を行うこと1時間。思ったよりも早く終わらせることが出来た。


「少し休もうか」


「はい」


雅也さんが椅子に座るのを見て、私も座る。


「紗菜、こっちに座って」


隣りの椅子を叩く。


「はい」


私たちしかいない会議室。呼ばれるまま座ったが、距離が近くて何だか緊張してくる。ここが、オフィス内だからだろうか。


「今夜、行くよ」


「はい。あ…」


雅也さんの手が私の太腿に置かれる。ここで何を…私は雅也さんを見た。