久保田くんの質問に答える真島くんの声が真後ろで聞こえた。かなり近くから聞こえたので、距離が近いことが分かって、振り向くことを躊躇う。

しかし、コピーが終わってしまい、それを持ってここを動かなければならなくなる。振り返れば、真島くんと対面してしまうから、このまま横に移動して…


「河原」


「は、はいっ!」


これからの動きを考えながら、出来上がった用紙を手にしたところで、肩を掴まれた。予想外のことに体が揺れてしまった。


「クスッ、何でびっくりしてんの?あのさ、あ、いいや、あとで連絡する」


え?言いかけたことは何?

振り向こうと顔を動かした時、コピー室入り口付近にいた雅也さんが視界に入った。

え?いつからそこに?


「河原さん、終わった?」


「あ、はい。今、終わりました」


やっとその場から動けたけど、私の心は落ち着かない。今、真島くんと何を話していた?真島くんは何を言ってた?


あとで連絡する…