家族でこっちに引っ越してきたはずだ。家族のいる家に図々しくお邪魔するのはいくらなんでも気が引ける。それにこんな時間にお邪魔するなんて、どう思われるか分からない。
「いや、親は今、大阪にいるんだ。ほら、転勤族だからね。まだ転々としてるよ。だから、俺は2年前から1人暮らし」
1人暮らしの真島くんの家に行く…。
金曜日の夜に1人暮らしの男の家に呼ばれた。
過去に好きだった男に呼ばれた。
今日初めて知ったけど、両想いだった人の家…そこに呼ばれた。
素直に「行く」と言ってもいいのだろうか。ふと、雅也さんの顔が浮かぶ。
今日のことは雅也さんに内緒にしてある。食事くらいならやましくないし、敢えて話す必要もないかなと判断したからだ。
でも、1人暮らしの男の家に行くことは…裏切りになるのかな。
ぼんやりとオレンジ色の街灯を見つめた。
「河原、警戒してる?」
「あ、うん。ちょっと考えちゃった」
真島くんは一歩私に近付いて、左手を握る。
「いや、親は今、大阪にいるんだ。ほら、転勤族だからね。まだ転々としてるよ。だから、俺は2年前から1人暮らし」
1人暮らしの真島くんの家に行く…。
金曜日の夜に1人暮らしの男の家に呼ばれた。
過去に好きだった男に呼ばれた。
今日初めて知ったけど、両想いだった人の家…そこに呼ばれた。
素直に「行く」と言ってもいいのだろうか。ふと、雅也さんの顔が浮かぶ。
今日のことは雅也さんに内緒にしてある。食事くらいならやましくないし、敢えて話す必要もないかなと判断したからだ。
でも、1人暮らしの男の家に行くことは…裏切りになるのかな。
ぼんやりとオレンジ色の街灯を見つめた。
「河原、警戒してる?」
「あ、うん。ちょっと考えちゃった」
真島くんは一歩私に近付いて、左手を握る。


