「私は大丈夫だよ。雅也(まさや)さん、疲れてない?」
「もうクタクタだよ。どうでもいいことにこだわるしさ。…ああ、今行くよ。…紗菜、本当にごめん。明日な」
返事を言う前に切れちゃった。忙しそう。
電話の主は岸本雅也さん。4つ年上で、同じ会社の先輩であり、私の恋人でもある。付き合い始めたのは半年前だから、まだ日は浅い。だけど、ずっと先輩、後輩としてわりと親しくしていたから、多分何でも知っている。
半年前、「好きだから付き合って」とシンプルに告白されて、先輩として普通に好きだったし、断る理由がなかったから、承諾した。
何となくだけど、あと2年くらい何事もなく平穏に付き合ったら結婚するような気がする。私だけが勝手に思っているのだけど。
「ふわぁーー」
「クスッ。おはようございます。昨日は遅かったのですか?」
盛大なあくびをする雅也さんは、昨日実家のリフォーム工事の打ち合わせに行っていた。
「ああ、夕方6時までかかって、そのあと夕飯食って帰ってきたから、10時頃かな。リフォームって、ほんと面倒だよ。あー、疲れが取れない…」
「もうクタクタだよ。どうでもいいことにこだわるしさ。…ああ、今行くよ。…紗菜、本当にごめん。明日な」
返事を言う前に切れちゃった。忙しそう。
電話の主は岸本雅也さん。4つ年上で、同じ会社の先輩であり、私の恋人でもある。付き合い始めたのは半年前だから、まだ日は浅い。だけど、ずっと先輩、後輩としてわりと親しくしていたから、多分何でも知っている。
半年前、「好きだから付き合って」とシンプルに告白されて、先輩として普通に好きだったし、断る理由がなかったから、承諾した。
何となくだけど、あと2年くらい何事もなく平穏に付き合ったら結婚するような気がする。私だけが勝手に思っているのだけど。
「ふわぁーー」
「クスッ。おはようございます。昨日は遅かったのですか?」
盛大なあくびをする雅也さんは、昨日実家のリフォーム工事の打ち合わせに行っていた。
「ああ、夕方6時までかかって、そのあと夕飯食って帰ってきたから、10時頃かな。リフォームって、ほんと面倒だよ。あー、疲れが取れない…」


