過去恋に今の鼓動を重ねたら

同じ高校に行きたいと思って、真島くんが志望校について、友だちと話しているのを盗み聞きした。


「引っ越すからそっちの高校を受けるんだ」


そんな声が聞こえて、落胆した。真島くんのほうが成績が良かったから、追いつけるように頑張ろうと思った。だけど、どう頑張って同じ高校を受験することは無理だった。

あれで私のやる気は半減したんだよね…。



食べ終わって、外に出る。

「あ、私の分、渡すね。いくら?」


カバンの中から財布を出して、千円札を何枚か出そうとする。


「いいよ。今日は俺が誘ったし、来てくれたのも嬉しかったから、奢る」


「ありがとう。ごちそうさま」


財布をカバンに戻して、腕時計を見る。時間は9時になるところだった。

二人でワインを1本あけたからか、少し体がふわふわする。楽しい夜だった。気持ちよく寝れそう。


「河原。まだ時間大丈夫?」


「時間は大丈夫だけど…」