過去恋に今の鼓動を重ねたら

「だってさ、よく目が合ったじゃん?俺が見てたからなんだけど、河原も見てたよね?」

お互いが見てなければ、目が合うことはない。思い出せば、目が合うことが多かったと思う。合うたびに見ていたことを気付かれないようすぐに逸らしたけど、無駄だったのかもしれない。


「うん、好きだったから見てたよ」


今さら過去のことを恥ずかしがっても仕方がない。開き直って、白状してしまおう。

そして、置いたフォークを持って、デザートを食べ始める。


「同じだね」


真島くんもフォークを持って、笑う。


「うん。やっぱりあの頃は子供だったね」


目が合うだけで、ドキドキしてたなんて、かわいい恋だった。


「それでも真剣だったんだけどね。付き合いたいとかそういう気持ちはなかったけど、仲良くしたい、もっとそばにいきたいとは思ったなー」


同じだ。私も告白しようとかは思わなかった。でも、もっと話がしたかった。