過去恋に今の鼓動を重ねたら

思い出話に花が咲く。

真島くんと過ごした時間はたったの1年だけど、中学生最後の年ということもあり、印象に残っていることが多い。

受験生だったから、定期テストの他に模試もあって、常に勉強を強いられてはいたけれど、楽しい行事もあった。

体育大会や球技大会、コーラス大会というごく普通の行事だったけれど、勉強以外のことに集中出来ることが嬉しくて、みんな必要以上にはしゃいでいた。

それにクラス対抗だったので、団結力も生まれた。


「体育大会でさ、リレーの選手だったよね」


「そうそう、真島くんがアンカーだったね!」


真島くんがアンカーで私はその前走だった。バトンを落とさないようしっかり握りしめていた。

私は2位でゴールしたので、あとは真島くんに託した。


「河原が必死な顔でお願い!って、言うからさー、物凄く頑張ったんだよ」


「うん、あれはすごい感動したよ!」


1位との差は10メートルくらいだったから、難しいかなと思ったけど、ゴール直前で抜かしてくれた。