「はあー」


何だか溜め息か出る。


抱かれるのが嫌だというのではないけど、気分が乗らない。つまり、今はしたくないというわけだ。

だけど、そんなことは言えない。恋人同士で拒むのは不自然だ。生理だと言おうか…。でも、先週生理だったし、もちろん雅也さんも知っている。

私は観念して、リビングに戻った。

少し並んでテレビを見ていたが、頬にキスをされ「寝ようか」とベッドルームに誘われる。狭い部屋にシングルサイズのベッドがある。大人二人で寝るには狭いが、寝れないことはない。

私が横になると雅也さんが覆い被ってきた。ゆっくりと目を閉じる。



「すーすー」


規則正しい寝息が隣から聞こえてくる。私はそっとベッドサイドに置いてある白い丸い時計を見る。

日付が変わった時間だった。体を起こして、キッチンへ行く。冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを出して、喉を潤した。