過去恋に今の鼓動を重ねたら

それを思うと、何かが胸の中で引っ掛かる感じがする。


「でも、少し考えさせてもらってもいいかな」


だから、考える時間が欲しかった。


「もちろんだよ。でも、リフォームの話をストップさせてしまっているから、よく考えて出来るだけ早くに決めてもらえるとありがたいけど」


ストップさせている…出来るだけ早く?

ゆっくり考える時間はなさそうだ。


「今、二世帯が考えられないという答えでもいいんだよ。結婚したら二人だけで住むのも俺は全然構わないから」


「うん。ありがとう」


本当に私の考えも尊重してくれて、気遣いもちゃんとしてくれる「よく出来た恋人」だ。雅也さんに対して何の問題はないと思うのに、なぜか即答出来ない自分がいる。

どうしてだろう?


食事か終わって、食器の後片付けを二人でした。私が洗い、雅也さんが拭く。

なかなかここまでしてくれる人はいないらしい。食べ終わったら、「ごちそうさま」と言い、テレビを見てる人が多いようだ。