過去恋に今の鼓動を重ねたら

「紗菜のほうがずっとかわいいし、ずっときれいだよ。嘘じゃないからな。それに、ケイティはこいつと結婚してる」


10人くらいで写っている中に、ケイティの旦那であるトムもいた。


「え?もう結婚しているの?」


結婚しているという事実に安心したのか、紗菜の顔が綻んできていた。かわいいな。


「紗菜…」


「え?ちょっと、圭司!まだ見てるのよ」


紗菜からアルバムを奪った。紗菜は不服そうだが、もう過去なんてどうでもいい。大事なのは今とこれからだ。


「カナダに行こう。カナダの友だちに俺のフィアンセだと紹介したいから」


「フィアンセ?」


「そう。俺は紗菜と結婚するつもりだよ。紗菜は俺としたくない?」


「圭司と結婚を?」


紗菜の目が丸くなった。どういう意味でビックリしているのか?

もしかして、焦り過ぎたかな。


「圭司と結婚したら、楽しそう!」


丸かった目が細くなって、嬉しい言葉を吐いた。

紗菜の肩を抱き寄せる。