過去恋に今の鼓動を重ねたら

長電話なんて、高校以来だった。真島くんと、気付けば二時間近くも話していた。


「もうこんな時間。お風呂入って寝ないと」


「ああ、ほんとだ。明日も仕事だね。あ、河原」


「ん?なあに?」


「今度、ご飯でも食べに行こうよ」


ご飯を食べに行く?


「あれ?河原ー。聞こえてる?切れてないよな?」


「あ、ごめん。聞こえてるよ。ご飯ね、うん、行こうよ」


二人でご飯を食べに行くことにどんな意味が込められているのかと深く考えそうになったけど、たかが食事だ。深い意味はないとすぐに思い直した。

また連絡すると約束して、電話を切った。


あ、雅也さんからだ。

スマホの画面に雅也さんからラインメッセージが来ていることの通知が届いていた。

ほんの少しの罪悪感を持ちながら、返信をするけど、返事が返ってくるどころか既読にもならない。もう寝たかな?

私のほうも既読にならなかったらか、何度か続けてメッセージが来てた。