過去恋に今の鼓動を重ねたら

なかなか終わらないと思っていても、終わる時が来る。

離れた圭司の口は私の首筋に向かう。このまま、ここで?

所長夫婦や圭司の家族や親戚の人も使うソファーだ。ここでするのは、躊躇われる。


「ん…、圭司…ここじゃなくて、ベッドで…」


「クスッ。紗菜に誘われた」


「え、あ、いや、そうじゃなくて。ああ、もう!」


ソファーが嫌だからと、自分からベッドにと言ってしまい、頭から火が出るくらい恥ずかしくなった。

熱くなった顔を両手で覆い、隠す。

あー、なんて恥ずかしい!


「さーな、顔を見せて。…プッ、真っ赤じゃん」


「言わないで」


自分でも真っ赤になっているのは、分かっているから指摘されると更に恥ずかしくなる。


「ごめん。からかっているんじゃないから。でも、ベッドまで運んでいい?今すぐ抱かせて」


真っ赤な顔のまま、圭司の目を見て、コクリと頷いた。