過去恋に今の鼓動を重ねたら

「今、こっちに住んでいる子も何人かいるんだよ。そういうメンバーだけでも集まれたらいいよね」


集まれたらいいとは言っても、私は率先してそういう会を開く行動力はない。

こうしたいよね、ああしたいよね！なんて、やろうとすれば出来ることを自らやることはしないで、言うだけで終わらせてしまう。

こんな中途半端な自分は好きではないけど、今までずっとそんな風に生きてきたから、これからも変わらないと思う。


「へー、こっちにいるヤツもいるんだ、でもさー、みんな忙しいだろうな。河原だって、あまり連絡取ってないだろ？」


「うん、実はそうなんだよねー」


「昔の知り合いに会ってみたい気もするけど、とりあえず俺は河原に会えたことが嬉しかったから、そういう集まりはいらないかな」


「え？」


話の中でさらりと伝えられた「会えたことが嬉しかった」が私の中で大きく膨らむ。その言葉だけしか聴こえなかったのように。