圭司の緊張が私にまで伝わってきてしまって、胸が高鳴って、殻だが固くなる。

照れながら笑う圭司にもときめく。

何だろう…淡い恋心が戻ってきたような感覚に陥る。

圭司の真剣な顔は何度も見ているというのに。


「10年前も紗菜が好きだった。でも、今の紗菜はもっと好きだ。ずっと、ずっと、紗菜を大事にする。これからの紗菜も絶対に好きでいる。だから、俺のそばにずっといて欲しい」


「うん」


「俺と付き合って」


こんなにも力強くて、真っ直ぐな告白をされたのは初めてだ。

返事は1つしかない。迷いはない。


「私も圭司が好き。だから、よろしくお願いします」


「ほんとに?好きだったじゃなくて?」


「うん。今、好きだよ」


微笑んで、頷いた。もう過去形ではない。現在進行形だ。そして、未来へと繋げたい。

ずっと、圭司のそばにいたい。