過去恋に今の鼓動を重ねたら

「紗菜ちゃん、ありがとう!本当に助かったよ」


「いいえ、とんでもないです」


頼まれてから、3日かかったが、まだ木曜日で予定よりも早く終わって、社長のデスクはきれいになった。元々、由衣子さんが分かりやすく分類したあったので、量はあったけど、それほど苦労はしなかった。


「土曜日、圭司とログハウスに行くんでしょ?」


「え、ログハウス…ですか?」


「ん?違った?いや、そんなことないよ。だって、圭司に鍵を渡したし」


ホットプレートがあるから、圭司の家に行く予定になっている。それが、いつの間にログハウスに変わった?

圭司には聞いていない。


「どうして、先に言うかな?当日のサプライズのつもりだったのに」


口を尖らせた圭司がちょうど社長室に入ってきた。


「サプライズ?」


「そう。家に行くと見せかけて、連れていこうと思っていた」


「お前、騙して遠くまで連れていくなんて、犯罪になるぞ」


「は?何で犯罪なんだよ」