過去恋に今の鼓動を重ねたら

「疲れてるときは糖分補給だろ?今日は俺から。いつものお返しね」


「クスッ、ありがと」


圭司が総務課に顔を出した時、私はデスクの引き出しに常備してある一口チョコをあげていた。「糖分補給」と言って。

私も疲れた時に一口、二口と食べていた。今日は社長室にいたから、糖分補給が出来ていなかったからか、圭司が気遣ってくれたらしい。


圭司が出ていってから、社長の椅子に座る。


「はあ…」


零れるため息。

最近の圭司は本当に近い。朱莉や鈴華に「いつから付き合うの?」と聞かれている。

いつからなんて、まだ付き合うかどうかも分からないのに。今の関係は、かなり距離の近い友だちといったところだろう。

今の関係も嫌いではない。だけど、好きだから、距離を縮めたいとも思う。土曜日、何かが起こる?

圭司は、何かを決心しているようだった。期待してもいいのかな?


悶々とする中、総務課に戻って、圭司が来るまで通常の業務を片付けた。