過去恋に今の鼓動を重ねたら

「私、土日に来ていたのよ。だけど、ここ１ヶ月くらい来ることが出来なくて。実家の母が骨折してしまって、母を手伝っていたから、こっちまで手が回らなくてね」


なるほど、謎が解けた。

今までに社長室の書類を整理していたのは、由衣子さんで、その由衣子さんガ来れなくなったから、書類の山が出来たということだ。


「紗菜ちゃんに頼んだと連絡が来たから、ちょうど近くにいたので来たのよ。今さらだけど、秘書を置いたらいいと思うのよね」


「そうですよねー」


初めのうちは社長自身がやっていたけど、徐々にやる暇がなくなり、由衣子さんが手伝っていたらしい。

これからも今回のように由衣子さんが出来ないことがあるから、専属でやる人がいたほうが絶対に効率が良い。


「そうだ！紗菜ちゃんが秘書になればいいのよ」


「ええ！私、そんな大層なこと出来ませんよ。資格もないし」


「そんなのなくても大丈夫よー。私が話しておくわ」