納涼会から、2ヶ月が過ぎ、涼しい風が気持ち良く感じる季節になってきた。そんなある日の朝礼で、課長の連絡事項が終わったあと、雅也さんが課長の横に立った。
「私事でありますが、報告があります」
課長はその報告内容を知っているのかニコニコしている。きっと朗報なのだろう。
「実は、昨日入籍をしました」
「岸本くん、おめでとう!」
いち早くお祝いの言葉を述べたのは、課長でなぜか握手までしていた。その様子を見て、拍手がフロア内で沸き上がり、「おめでとう!」の言葉が飛び交う。
私も隣に立つ朱莉と拍手をした。複雑な思いはあるけど、おめでたいことだ。
「岸本さんのお相手って、確か五年くらい付き合っている彼女ですよね。遠距離恋愛の時期もあったというのに、一途ですごいですね!」
雅也さんが遠距離恋愛をしていたという事実を知っている人は意外と多かった。私だけがのけ者にされていた気分になる。
だけど、遠距離恋愛を知っていても、誰も雅也さんの浮気を知らない。
「私事でありますが、報告があります」
課長はその報告内容を知っているのかニコニコしている。きっと朗報なのだろう。
「実は、昨日入籍をしました」
「岸本くん、おめでとう!」
いち早くお祝いの言葉を述べたのは、課長でなぜか握手までしていた。その様子を見て、拍手がフロア内で沸き上がり、「おめでとう!」の言葉が飛び交う。
私も隣に立つ朱莉と拍手をした。複雑な思いはあるけど、おめでたいことだ。
「岸本さんのお相手って、確か五年くらい付き合っている彼女ですよね。遠距離恋愛の時期もあったというのに、一途ですごいですね!」
雅也さんが遠距離恋愛をしていたという事実を知っている人は意外と多かった。私だけがのけ者にされていた気分になる。
だけど、遠距離恋愛を知っていても、誰も雅也さんの浮気を知らない。