過去恋に今の鼓動を重ねたら

しかし…これは、神様の意地悪?隣に雅也さん、前に圭司がいるなんて、全然楽しめない。早く入り乱れないかなと祈ってしまう。

他のテーブルに移動したい。


「はい、河原」


「あ、ありがとう。私がやるよ」


オードブルを圭司が分けてくれていた。居心地が悪いからと圭司にやらせるのは申し訳ない気分になる。一応女として、私が分けるべきだろう。

といっても、もう圭司の皿以外はきれいに取り分けられていた。

余計なことを考えていないで、納涼会に集中しようと思うけど、話し相手が選べない。ここは、経理課長に話し掛けるしかないかな。


「田中課長、どうぞ」


話すきっかけにはまずお酌から。雅也さんの前を素通りして、圭司の横も素通りして、経理課長へビール瓶を差し出した。

このテーブルの中で一番目上の人だから、不自然さはないはずだ。


「おー、河原さん、ありがとう!」


半分ほど残っているピールをグイッと空けてくれたので、遠慮なく並々と注いだ。溢れるギリギリに入れたつもりだけど、泡が溢れる寸前になっていた。