過去恋に今の鼓動を重ねたら

「だけど、俺は彼女と結婚して、この先彼女だけを見て生きていこうと決めたんだ。だから、紗菜とはただの同僚という形に戻りたい」


「彼女のことが好きなのよね?私よりも」


「うん。紗菜よりも好きだ」


多分私に感じる好きと、彼女に感じる好きは違う。だから、雅也さんは彼女を選んだ。私を選ばなかった。思い起こせば、ここ1ヶ月の雅也さんの行動は変だった。ここに泊まることをしていなかった。私を抱くこともしていなかった。

キスだって、軽いものだけだった。

本命の彼女と結婚しようと決めたから、私を抱かなかった。私よりも好きな女がいるから、私とは結婚しない。

二世帯にしようか?なんて、結婚を匂わす話も嘘だったに違いない。


ひどい!最低!と罵っても許される。でも、こんな状態であっても、憎めない。

憎しみよりも悲しみのほうが大きい。

私…自分が思っているよりもずっと好きだったんだ。