過去恋に今の鼓動を重ねたら

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サンサンと容赦なく照らす太陽を睨みたい気分だった。朝起きて、シャワーを浴びてきたのに、もう汗だくだ。タオルハンカチで首筋を流れる汗を拭う。


「紗菜、おはよう」


「おはよう。圭司…暑くないの?」


こんな日射しの中でも爽やかな顔をしている圭司も、太陽と同じくらい睨みたくなった。涼しそうな顔をしているから憎くなる。


「もちろん暑いよ。ほら、汗かいているだろ?」


額にかかっている前髪をあげてみせてくれる。出てきた額は、汗が滲んでいたけど、なぜかそんな汗までもが爽やかに見えてしまった。

私は首をブンブンと横に振る。爽やかな圭司を見て、更に汗がでてきたのは、鼓動が早くなったからだ。ただの友だちにドキドキして、どうするのよ…私ったら。

自分で自分に突っ込んで、涼しい会社へと足を進ませる。早く頭を冷やそう。暑いと思考もおかしくなる。


「今日、昼ごはん、一緒に食べない?」


「え?一緒に?」


「うん。ちょっと話したいこともあるから」