帰るのが遅くなるかもと言ったのは、私だった。早く帰れたから会おうとするのは、自分勝手だ。雅也さんに言わないで、バーベキューに行ったのが、まず第一にいけなかった。

わざわざ聞かなくてもいい、わざわざ言わなくてもいいと判断してしまったことが悪かったのかもしれない。

何でも言い合える仲が理想だったはずなのに、何でも言うどころか、嘘までついている。だから、罪悪感から聞くことが出来ていない。


何となく溝が出来てしまったように感じるのは私だけだろうか?


‘明日の夜は、紗菜のとこに行くから、一緒に食べよう’


翌日の約束をして、電話を切った。その直後に圭司からメッセージが届く。もうすぐ家に着くらしい。家の近くのコンビニの駐車場から送ってきたようだ。

‘お疲れさま’とだけ送って、スマホの電源を切った。じっくりと自分の気持ちに向き合おうと思った。