`紗菜?´
「うん」と短く返事をすると、「用事が早く終わりそうだから、4時頃にそっち行けるよ」と呑気な声が返ってきた。私が今、何をしているか知らないから当然だとは思うが、少し苛立ってしまう。
何でこのタイミングにかけてくるのだろうか。
「ごめん。今、外に出ていて、帰りは遅くなるかもしれないの」
`どこに出てるの?´
聞かれたら答えなくてはならない。社長と真島くんが電話が終わるのを待っていてくれるのが、後ろを向かなくても気配で分かる。
ここでいつものように嘘を吐けない。
「あの、社長からバーベキューに誘われて…」
`え?社長?´
「河原さん、ちょっと貸して」
「えっ?あ!」
後ろから伸びてきた手にスマホを奪われる。
「もしもし?……ああ、岸本くんか。そうか、そうか。悪いねー、ちょっと河原さんをお借りするよ。………うん、今、代わるね。はい!」
「うん」と短く返事をすると、「用事が早く終わりそうだから、4時頃にそっち行けるよ」と呑気な声が返ってきた。私が今、何をしているか知らないから当然だとは思うが、少し苛立ってしまう。
何でこのタイミングにかけてくるのだろうか。
「ごめん。今、外に出ていて、帰りは遅くなるかもしれないの」
`どこに出てるの?´
聞かれたら答えなくてはならない。社長と真島くんが電話が終わるのを待っていてくれるのが、後ろを向かなくても気配で分かる。
ここでいつものように嘘を吐けない。
「あの、社長からバーベキューに誘われて…」
`え?社長?´
「河原さん、ちょっと貸して」
「えっ?あ!」
後ろから伸びてきた手にスマホを奪われる。
「もしもし?……ああ、岸本くんか。そうか、そうか。悪いねー、ちょっと河原さんをお借りするよ。………うん、今、代わるね。はい!」


