「ありがとう!気を使わせてしまって、悪いね。さあ、入って、入ってー」
手渡した紙袋を社長はニコニコしながら、受け取ってくれた。
社長が開けたドアを支えて、待っていてくれる。真島くんの後に入りたいと思っていたのだけど、腰辺りを押される形で私のほうが先に足を踏み入れた。
「圭司、ドアの前で口説くのはやめとけよ。ね、河原さんも困ったよねー」
「あ、はい。まあ…」
やっぱり社長は聞かれていたらしい。偶然聞こえてしまったのかもしれないけど、聞かれていたことが恥ずかしくて、俯いてしまう。
その時、肩から下げていたバッグが振動する。止まらない振動で、電話ということが分かり、急いでスマホを取り出した。
しかし、スマホの画面を見て、動けなくなった。雅也さんだったからだ。
「ん?電話?出ていいよ」
「あ、はい。ちょっと失礼します」
二人から離れようとしたけど、まだ入ったばかりのこの場所で、行けるところがない。二歩ほど下がって、入ってきたドアに体を向けた。
手渡した紙袋を社長はニコニコしながら、受け取ってくれた。
社長が開けたドアを支えて、待っていてくれる。真島くんの後に入りたいと思っていたのだけど、腰辺りを押される形で私のほうが先に足を踏み入れた。
「圭司、ドアの前で口説くのはやめとけよ。ね、河原さんも困ったよねー」
「あ、はい。まあ…」
やっぱり社長は聞かれていたらしい。偶然聞こえてしまったのかもしれないけど、聞かれていたことが恥ずかしくて、俯いてしまう。
その時、肩から下げていたバッグが振動する。止まらない振動で、電話ということが分かり、急いでスマホを取り出した。
しかし、スマホの画面を見て、動けなくなった。雅也さんだったからだ。
「ん?電話?出ていいよ」
「あ、はい。ちょっと失礼します」
二人から離れようとしたけど、まだ入ったばかりのこの場所で、行けるところがない。二歩ほど下がって、入ってきたドアに体を向けた。


