過去恋に今の鼓動を重ねたら

別荘なんてそんな立派なものではないと言っていたけど、これが別荘ではなかったら、何なのだろうと首を傾げたくなった。部屋数もかなりあると思われるそのログハウスは想像以上に立派だった。

ペンションにも見える。

広い駐車場には、黒いアウディだけが止まっていて、２台ほどのスペースを開けて、真島くんの車を止めた。

そのログハウスを目の前にして、口を開ける。


「真島くんちって、お金持ちなの？」


「母親の実家の方は、わりと裕福な家だけど、父親の方はごく普通の家だし、今もごく普通のサラリーマンだし、俺の家もごく普通だよ」


ごく普通と言ってはいるけど、社長が叔父さんだし、このログハウスを建てたおじいさんだって、それなりの地位のある人に違いない。

ごく普通の家では自宅以外にこんな立派なログハウスを建てられない。


「おじいさんは何をしてる人なの？」


気になるのがおじいさんの職業になるのは私だけに限らないだろう。