過去恋に今の鼓動を重ねたら

`暇だけど´と返信する。


♪~♪~♪


「わっ、電話だ。はい、もしもし」


もちろん、このタイミングで掛けてくるのは真島くん。

鈴華がニヤニヤした顔で見てくるから、私は壁の方に体を向けた。

壁に体を向けたとしても、聞こえてしまうから、やっていることは無意味だけど、好奇心旺盛丸出しの鈴華を見ながらだと冷静には話せない。

声を潜めて聞いているのが分かる。


「え?社長の家で?……うん、いいけど。………分かった、じゃ、明日ね」


通話を終わらせて、小さくため息をつく。


「ねえねえ、明日がなんなのよ?教えなさいよ」


鈴華が後ろから肩を掴んで揺らす。私の声が聞こえていたとしても、真島くんの声までは聞こえていない。


「明日、社長の家に行くことになった」


「社長の家に?真島くんも一緒?」


私は小さく頷く。