「そんなことないよ。だって、付き合っている人がいるって、ちゃんと話したもの」


「でも、奪おうとしてるのかもよ」


「奪う?」


無理に奪うなんてしないと思う。だけど、「もし何かあったら、俺がいる」とか言われた。

でも、何もない。雅也さんとは至って、順調だし。


テーブルに置いてあった私のスマホが鳴る。短い音だったから、メッセージだと分かる。


「誰よ、だれー?」


「もう、身を乗り出さないでよ。あ…」


噂をすれば何とかだ。真島くんからだった。


「明日の昼?」


内容は明日の昼、暇かどうかだった。


「なに?明日の昼がどうしたっていうの?」


首を傾げる私に真っ直ぐ顔を向ける鈴華の目は好奇心に満ち溢れている。


「あのね、真島くんが明日の昼、暇か?って」


「暇だったら、なんなの?」


それが分からないから、首を傾げたのだ。何も予定がないから、暇といえば暇。鈴華は明日の11時に美容院を予約しているというから、10時には帰る予定になっている。