表情の読めない顔で、ドアを開けて出ていく雅也さんを呆然と眺めた。私も廊下には出たけど、歩みを進ませることが出来なかった。


こういう場合、寂しい!会いたい!何で会えないの?と駄々をこねるべきだったのだろうか?

何で会ってくれないの!と怒るべきだったのだろうか?


だって、用事があるなら仕方ないと思うものだよね?

何も聞かないから、物分かりがいい?


雅也さんにだって、付き合いはある。それを一つ一つ報告して欲しいなんて思わない。

私だって、事細かに報告をしていないのに、あれこれ聞くことは出来ない。

まして、最近は多分私のほうが隠していることも多いから。