「おはよう。今、社長来てた?なんか用事あった?」


「課長、おはようございます。名刺が出来ていないかと来たのですが、どこにあるのか分からなくて。あとで岸本さんが来たら、私が届けることになりました」


「社長の名刺?そういえば、あれ…まだ出来てきてないと思うけど」


「ええ?そうなんですか?」


課長が顎に手をやって、首を傾げたあと、私の問いに頷いた。

しかし、まだ出来上がっていないとは…どうしよう。すぐに必要みたいだっただし。簡単に届けると言ってしまうのではなかった。

ひとまず、印刷所に確認しよう。注文書は…雅也さんのデスク上にあるファイルの中のはずだ。探すが見つからない。雅也さんはまだかな?


「おはよう。朝から、どうした?」


「ああ!おはようございます!」


やっと待ち人が来た!

探すよりも聞いたほうが早い。


「社長の名刺、出来上がってますか?」


「まだだよ。出来上がっていたらすぐに持っていってるよ」