過去恋に今の鼓動を重ねたら

「食べれる?」


「うん、ありがとう」


熱々のお粥をふうふうと息をかけながら食べる。

隣に座った真島くんからの視線を感じる。見られながら食べるのって、食べにくい。


「あ、真島くんはご飯は…」


「俺も食べようかな」


キッチンのほうに歩いていく。何を食べるのだろう?


「河原、これもらってもいい?」


「うん。どうぞ」


スーパーの袋に入ったままになっていたカップ麺を取り出した。私の何も食材がなかった時用の非常食だ。


「でも、真島くん…帰って、食べたら?」


わざわざここでカップ麺を食べる必要はない。お見舞いを持ってきてくれて、お粥まで用意してくれた人を追い返すのは、失礼かもしれないけど、ずっとここにいられても困る。

それに申し訳ないと思う。仕事で疲れているだろうから、家で休んで欲しい。


「河原が食べ終わったら、帰るよ」


やかんをコンロにかける姿が見えた。食べてから帰るつもりだろう。