過去恋に今の鼓動を重ねたら

「分かった。温めるから待っていて。ん?このサンドイッチは?」


今は、食べたい気分ではなかったサンドイッチ。明日の朝に食べようかなと思って、キッチンまで持っていったけど、冷蔵庫にしまっていなかった。


「あ、さっきもらったの。でも、冷蔵庫に入れておこうと思って」


「さっき?誰が来たの?あ…彼氏?」


真島くんはサンドイッチを冷蔵庫に入れながら、こっちを向いた。

私は、ソファーに座った。


「うん」


「ふーん。で、彼氏は看病してくれないんだ?」


「用事があるからって」


「へー、具合の悪い彼女を放っていくんだ。冷たいね」


冷たくない。今日は用事があったから、仕方ないけど、いつもは優しい。雅也さんの優しいところはいっぱいある。

反論したかったけど、言葉が出なかった。

どうしてだか、今ここで雅也さんの話をしたくなかった。


10分後、テーブルに玉子粥が置かれる。