過去恋に今の鼓動を重ねたら

「はい。お見舞い」


「朱痢から?ありがとう」


「いや、俺から。久保さんには行ってと託されたけど、何も渡されていない。買いに行くつもりだったみたいだけど、それも込みで託された」


渡されたビニール袋を受けとる。ずっしりと重くて、手が下がった。


「クスッ。ちゃっかりしている朱痢らしい。あ、おかゆ。今、作ろうかなと思っていたの」


「ちょっと…」


「え?わっ…」


真島くんが右手を私のおでこに当てた。ひんやりとして気持ちがいい。


「まだ熱あるでしょ?作ろうとしなくていいから。レトルトじゃ嫌なら俺が作るよ」


スーツの上着を脱いで、ワイシャツの袖を捲る。


「え、あ!真島くん!レトルトでいいよ。ただレトルトがなかったから、作ろうと思っただけだから。これを温めればいい」


レトルトパックに入ったおかゆを袋から出す。