過去恋に今の鼓動を重ねたら

ギュッと抱き締められる。


「まだ熱があるみたいだね。体が熱い。おやすみ」


「うん、おやすみ」


私の体温の確認を終えた雅也さんは出て行った。


こんなにあっさりと帰るなら真島くんに来てもらっても良かったかもしれない。


ブンブン


やましいことは考えてはダメだ。今思ってしまったことを否定するように私は頭を横に振った。


サンドイッチ…食べる気分になれない。おかゆが食べたいな。作るか…。


小さい一人用の土鍋を出して、冷凍室を開ける。冷凍してあるご飯があったはずだ。


ピンポーン


あれ?

雅也さんが戻ってきたのかな?

モニターを見て、ビックリした。

なぜここに真島くんが…。


住所は教えていないし、断ったはずだ。


ドンドン


またドアを叩かれる。すぐに開けないと心配になるのだろうか。


「はい。どうしてここが分かったの?」