過去恋に今の鼓動を重ねたら

時間は7時になるところだった。

雅也さんから電話もメッセージも何件か入っていた。それに気付かないで、寝ていたなんて申し訳ない。


「いいよ。具合悪いんだから。ただ倒れているんじゃないかと心配になったけどね」


ドアを叩く音は切羽詰まった感じに聞こえた。


「心配かけてしまって、ごめんね。あがって」


「ごめん。今日もこれから用事があって、すぐに行かなくちゃならないんだ。だから、これだけ届けに来た。はい」


渡されたのはコンビニのビニール袋。中にはサンドイッチとスポーツドリンクが入っていた。


「ありがとう」


「ついていてやりたかったんだけど…それ食べて、また寝てなよ」


具合が悪い時は心細くなるから、ついていて欲しかったけど、用事があるというなら引き止めることは出来ない。


「うん。大丈夫だよ。また寝るから」


「紗菜…」


雅也さんに腕を掴まれ、引き寄せられた。