零央が私を愛していないことも嫌っていることも分かっているのに別れをなかなか切り出せない私。

理由は至って簡単。

私が零央を愛しているから。


零央は覚えていないと思うけど、街でチャラい男の集団に声をかけられて困っているところを零央に助けられた。


私はそのとき、零央に一目惚れをした。

そして政略結婚をして、零央のことを知るたびどんどん好きになっていった。

結婚して最初のうちは私を愛せるように努力していたのだと思う。

冷たいのは最初からだったけど、今よりは会話もあったし、優しかった。