「別にそれと言って変わったことはないけれど・・・」



強いて云えば、心の片隅に、頭の片隅にいつも小海がいるってぐらいだ。



「けど、なに?」




「いいや、なんでもねぇよ。」



「そう?」



嵐におちょくられそうだからと、ギターを弾き始めると、嵐もこれと言って詮索せずに、ドラムを小刻みに鳴らし始めていた。




そうしているうちに、昴と銀河もレコーディング室に入って来て、一言二言話すと、曲を合わせた。




俺らは、ひとりひとりでは何も出来ない。みんなが集まって初めて【REY】とゆうグループになれるんだ。



俺は、少なくともそう思っていたりする。




でも、不思議だな。昨日までは地元いたのに、今日はこうやってレコーディングをしているなんて・・・



明日は、クリスマス・イブだ。けど、まだまだ合わせたい曲はたくさんあるし、クリスマスライブだってやらせてもらえることになった。



だから、明日だって帰れないし、年を越せば、こっち(東京)に全員来なければならなくなる。



年を越して、四月になればデビューが待っている。





一週間前は、いろはに配達がてら、小海の顔も見たくて見に行った。


その日は、俺たちの付き合うことになった日になった。


帰りに俺のマンションに寄って、タンポポを見せるだったけど、俺は小海を帰した。



小海は、住み込みでがんばってんだ。そんな奴の邪魔はしたくないと思った。


小海に触れたいし、たくさん顔を見たくて仕方ないけど、それはお互いのお休みの日がいいよな?





「なぁ、アルバムのメインの【たんぽぽ】って曲、良いよなぁ。」



「俺も好きだなぁ。まぁ、どれも好きだ。このアルバムは各自考えて案を出し合って作ったからな。」



アルバムのメインでもある曲。たんぽぽ。


嵐は、染み染みと言った様子でみんなに視線を向けた。それに答えるように、昴もニコっと笑い言葉を加えた。