断罪校則

 
 
「まずは、先生の話からだが」

こうして俺は、二度目となる矢木さんの口から語られる哀しい過去と。和也が起した事件と校則の関連性の話を聞く事になる。

和也は自分の事件の話の時に、一瞬表情を曇らせていたけど。それでも最後まで黙って聞いていた。

時間だけがゆっくりと流れていく。

陽は完全落ち、黒く染まった空にはいつの間にか大きな月が顔を出していた。


ゆらり、ゆらゆら、

まるで水面で揺れる月のように。儚くも決して闇に呑まれたりしない。崩れても、散っても、朧げでも、またその形を成すように。真ん丸で大きな、輪郭の攫めない月。

これは、警告だったのだろうか。

『       』

この先で待ち受ける、運命の、―――。








「……俺の、所為だったんだね」

全ての話が終わったあと、和也は大きく息を吐き出して俯いた。

「そんな事はない。遅かれ早かれ、いつかはこうなっていた筈だ」

矢木さんのフォローも聞えているのかいないのか、和也は更に頭を深く地面へ向かって沈める。

「実はサ、亜貴の話を聞いてからずっと学校のサーバコンピュータに侵入しようとしてたんだけどね。どうしても突破出来なかったンだ」
「突破出来ない?君の力でもか?」
「多分、学校側にも相当機械に強い人間が居るんだヨ」

「マジか」
「成程、抜かりはないようだな」
「……ウン」

再び月が揺れ、風が啼く。